子供たちが巣立つとき、親の役目は。

息子が大学院に進むために家を出て、アパートを借りることになった。

高校を卒業後すぐに運転免許を取らなかったから、家から大学への毎日の電車通学。勿論駅までの送迎は親の役目。

専業主婦として家にいた私の唯一の大事な仕事。

それは、駅まで息子を送るときの会話。

思えば、中学生の時から朝の運転は私の仕事だった。

たった十五分くらいの時間が母と息子の唯一の会話の時間。毎朝笑い話をしながらその時その時の息子の状態や状況を見るのに大切だった。

あまり、干渉しないようにしていたこともあって、息子の方から話してくれることが嬉しかったし、把握しておくのも大事だったから。

洗濯や掃除よりも、息子と会話する送迎の時間が親としては大事な仕事だった。

しかし、忙しくなるに連れて家から通う電車の時間が勿体無いと。だから大学の近くに部屋を借りて生活することにしたと。

もともと、高校を卒業したら家を出て自立した生活を送る予定だったから、覚悟はしていた。

後押しもしていた。

しかし、いざその時が近づくと、淋しさばかり募ってくる。子離れする時期はとうに過ぎた。

後は子供が自分で大人になることを遠くから見守るだけ。

自分が生んだ子供だもの、大丈夫だよ。